より専門分野に特化した研修を行う後期研修医は、初期研修医と違い、アルバイト(外勤)ができるようになります。
医師のアルバイトにはさまざまなスタイルがありますが、後期研修医におすすめの勤務形態は『定期非常勤』です。
後期研修医のアルバイトに定期非常勤を選ぶメリットは、たとえば以下のような点があげられます。
- 勤務先によっては経営方法も学べる
- 未経験の症例を体験しやすい
- 定期非常勤を選ぶと報酬交渉がしやすい
- 複雑な人間関係に悩まずに済む
将来的に開業を目指している医師の中には、アルバイト先で技術力を磨くだけではなく、経営テクニックを学んでいる方もいます。
報酬面では、スポット勤務よりも定期非常勤のほうが報酬アップの交渉がしやすい点もメリットです。
エリアや条件、タイミングによって、スポットは募集して必ず来るものではありませんが、定期非常勤の場合、契約した曜日や日数は確保されます。
常勤医師に定期的な休日を提供できるため、スポットよりも定期非常勤のほうが喜ばる傾向にあります。
病院側のこのような事情を逆手にとると、報酬アップや条件変更を交渉しやすくなります。
また、常勤のように複雑な人間関係や院内のパワーバランスに悩まされることもありません。
むしろ新しい人脈づくりに活用している医師もおり、人脈や経験の浅い後期研修医のうちに、外部にツテを作ることのできる定期非常勤のバイトはおすすめです。
定期非常勤のアルバイトを探すのに最適なサイト
需要の高さから、非常勤のアルバイト時給は高い傾向にありますが、経験の浅い後期研修医は安く抑えられる傾向が見られます。
少しでも条件や時給の良い定期非常勤のアルバイト先を探している方へ、おすすめの求人サイトをご紹介します。
※使用したデータは2019年7月18日のものです。
医師バイトドットコムは、長年医療現場にコンサルティングや人材紹介サービスを提供してきた株式会社メディウェルの医師求人サイトです。
病院ごとの特徴を裏事情も含めて理解できているため、定期非常勤の条件改善や金額アップなど、交渉の相談をしやすいメリットがあります。
医師向けの大手求人サイトというだけあり、取り扱い求人件数が多く、専門性の高い診療科でも多くの選択肢の中から勤務先を選べます。
無料会員登録をして、専任コンサルタントに要望を伝えておけば、条件に合った非公開求人を紹介してくれたり、キャリア形成の相談にのってくれます。
Dr.アルなびは、医師バイトドットコムと比べると求人数が少なくなりますが、時短勤務案件が多く、後期研修医のアルバイト探しに向いています。
高額案件も少数ながら見つかりやすいのが特徴ですが、あくまで専門性の高い医師(経験が豊富なベテラン)を対象としている案件のため、注意が必要です。
Dr.アルなびの公式サイトでは、曜日別に現在募集のある求人数を見ることができるのがメリットです。
研究日など特定の曜日に絞って定期非常勤の求人を探している方にとって、わざわざ検索をかけなくても募集数がチェックできるのは、時短になります。
希望の曜日の求人数が少ないと感じたら、総合的な求人数の多い医師バイトルドットコムなど、他の求人サイトと併用してみましょう。
マイナビDoctorは、医師バイトドットコムの半分程度の求人数しかヒットしませんでしたが、首都圏の求人情報に強いサイトです。
また、時短勤務の求人も多く、首都圏勤務や時短勤務を希望している後期研修医の方に最適です。
スポット求人情報はなく、常勤と定期非常勤の両方の求人情報を掲載しています。
中には日給100万円を超える求人情報もありますが、いうまでもなく技術のあるベテラン医師向けの求人です。
日給の平均額は医師ドットコムやDr.アルなびと大差ないため、日給重視で求人情報を見る際は、注意してください。
民間医局は、純粋に求人数だけを見るとけして多くはありません。
しかし、飛行機や船、新幹線を利用して遠方への出勤を視野に入れている方には心強く、僻地医療の求人が目立つのが特徴です。
たとえば、今回検索にヒットした定期非常勤とスポットのアルバイトは、どちらも別の地域ですが、離島勤務という共通点を持っていました。
将来的に離島・無医村などでの勤務や開業も視野に入れている方は、民間医局で僻地医療の求人情報もチェックしてみましょう。
ちなみに、日給が低いのは午前診のみの時短勤務となっているためであり、離島での診療が特別安いというわけではありません。
定期非常勤のアルバイト応募でチェックすべきポイント
後期研修医が定期非常勤でのアルバイトを始める際に、求人情報のチェックで重視すべきポイントをご紹介します。
とくに医療業界そのものの経験が浅い後期研修医は、トラブルとならないよう、応募前に求人情報や条件を隅々まで確認しましょう。
- 後期研修医も対象の求人かどうか
- 求められる技能や条件はあるのか
- 複数名で勤務できるかどうか
- 研修中の病院はアルバイトOKか
- 本業(研修)に影響の出ない範囲か
後期研修医は、まだまだ専門分野について本格的な勉強が始まったばかりです。
そのため、求人によっては後期研修医はお断りされたり、求人情報に掲載されている日給よりも安い金額が提示されることがあります。
『診療科目不問』など、後期研修医でもアルバイト可能な求人情報を選びましょう。
ちなみに、職場によっては複数名でアルバイト勤務が可能なケースもあります。
同じ診療科で研修を受けている同僚と誘い合って、同じ医療施設でアルバイトするのも良い経験となります。
また、定期非常勤のアルバイトに応募する前に、最初に確認しておくべきことがあります。
研修先の中には「後期研修医であってもアルバイトは禁止」とする医療施設も存在します。
そもそも自分が所属している医局や研修している医療施設は、定期非常勤に限らずアルバイトを許容してくれるのが、事前に必ず確認しておきましょう。